教育のおもしろさ

CROSSTALK 02

ひと皮むけた
瞬間しゅんかん
立ち会える喜び

「もう辞めてもいい」と思うくらい
教え子の合格の知らせは何より嬉しい!

大阪出身、2007年同期入社の2人が語るのは、現場で子ども達と向き合い、教育を展開するおもしろさや醍醐味。キャリア15年以上を重ねるなかで感じる生徒の「成長」のタイミングだけでなく、今後の課題感や将来展望などを赤裸々に語り合います。

TS職〈講師〉

田崎 紘平

KOHEI TASAKI

出身地
大阪府
入社年
2007年
部署・役職
第1事業本部 研伸館高校生課程 部長
担当業務
大学受験部門のマネジメントおよび大学受験向けの数学指導

TS職〈講師〉

土井 千晶

CHIAKI DOI

出身地
大阪府
入社年
2007年
部署・役職
第2事業本部 進学館 次長
担当業務
小学生への中学受験向けの国語指導

SESSION

01

学力を上げることだけが「目的」ではないと思える仕事

講師歴15年を超えた同期入社の2人が思う、進学塾ならではの醍醐味とは?

田崎さんと2人で話すとか何年ぶりだろうね(笑)担当する年代も部署も違うから、なかなかこんな機会もないですよね。

お互いベテランになりましたね(笑)でも、小学生の指導における土井さんの評判は、いつも小耳に挟んでますよ。

本当ですか?キャリアを重ねてきた今でも思うのは、子ども達と接していると面白いことがいっぱいある。
塾講師は、学校の先生と比べて、学力を上げることが目的の中心ではあるんだけど、勉強以外の会話の時間も楽しいし、何より小学生たちの「成長する様子」に触れられることが嬉しいですね。

子ども達への教育を広い目で見ると、昼間に通う学校での教育が尊重されるべきベースだとは思います。
ただ、学校だけで本当のニーズが満たされないのであれば、民間の学習塾で指導を行う私たちの出番なんでしょうね。

最初は学校の先生に憧れを抱いていましたが、今となってはアップを選んで本当に良かったと思っています。
真剣に頑張った子ども達が志望校に合格した時は、毎年のように「もう辞めてもいいかな」と思えるくらい私も嬉しいですし。

それはまさに、塾講師にとって一番の喜びを感じられる瞬間だと思います。生徒たちの達成感ある笑顔に救われるというか。それはこの仕事ならではの醍醐味ですね。

SESSION

02

責任感を持てるようになった生徒の成長を間近で感じながら

普段接している小学生、高校生それぞれの成長を実感する瞬間とは?

田崎さんが普段指導している高校生の様子を見ていると、最近は大人っぽい子が増えたなと感じたりしていますが、実際どうですか?

高校生の年代は、ある程度は大人になってきている一方で、モラトリアムの期間でもあります。
大人びていたり、子どもらしかったりがどちらも入り混じっている時期だからこそ、指導する上での難しさはありますよね。

私たちも高校生の頃は、そうだったかもしれませんね…。

当時と流行や環境は変わっているけど、根本的には変わらないでしょうね。でも、そんな高校生達と接していると、「完全にひと皮むけたな」という瞬間が訪れるんです。
親や大人との向き合い方が変わったり、周りの意見を鵜呑みにせず、自ら咀嚼して考えて動けるようになったり。ちゃんと自立して責任感を持てるようになった生徒の成長を間近で感じられることが、何よりのやりがいです。

私は小学生を相手しているからこそ、昨日と今日とで違う「小さな変化」がたくさん起こります。
勉強面でも、「漢字テストで初めて100点がとれた!」や「今日は再テストがなくなった!」だったり、小学生の頃はステップアップの幅も少しずつだったりします。ただ、その小さな成長を心の底から喜ぶ子ども達に囲まれていると、こちらも嬉しい気持ちになりますし、もっと成長させてあげたいって思えますね。

毎日、その日塾へ来る生徒のことを思い浮かべて、何を話そうかと考えたり、何をしてあげたら喜ぶかを考えている時間が楽しいですよね。来てくれる生徒や保護者のために一生懸命になることそのものが生業になっている状況が、つくづく幸せだなと感じてますね。

SESSION

03

多くの尊敬できる大人や仲間に出会える「場」であることが存在意義

これからの教育の理想やもっと良い教育を提供するために意識したいことは?

田崎さんの言う通り、進学塾ならではの「幸せ」や「やりがい」ってたくさんあります。ただ、少しずつ時代に合わせた指導法や考え方が必要になってきたなとも感じていて…。

確かに。受験のあり方そのものも、どんどん変わってきているからね。

最近よく保護者の方から言われるのが「怒られ慣れてないので」ということです。
私自身は、小学生という幼い子ども達に、仕事上、受験勉強をさせなきゃいけない。もしかすると、今まで通りのままだと、比較的厳しく接していることが多いのかなとも思っていて。

ビジネスとしての側面から言えば、高い合格実績を残し続けることも大事だけど、塾という「場」がどういうものであるべきかを最優先で考えるべきだと思うけど。

もちろん、仕事としてやるべきこと、塾の存在意義を忘れている訳ではないんだけど、今まで通りの指導が必ずしもプラスにならないと思う場面も増えてきているんですよね。
投げかけた言葉が響く前にシャッターを降ろしてしまう子どもが増えてきている印象もありますし。

教師と生徒という対象で見ると、土井さんの実感や意見はよく分かります。
ただ、民間の塾の役割として大事な別の側面としては、それぞれが通っている学校以外の生徒と触れ合うことで、刺激を受けたり、成長の糧にできる場であること。子ども達にとって、なるべく多くの尊敬できる大人や仲間に出会える場にすることが今の時代にも大事だと思うよ。

だからこそ、一人ひとりへの個々の声かけをしっかり丁寧にしていくことが大事なんでしょうね。
目の前の一人ひとりに合わせて、指導も思いも「言葉」にしてきちんと伝えることが大事だなと思います。

子ども達から見て、私たちが尊敬できる先生や大人になることで、将来的に「目指す大人像」を見ることもできる。だからこその大前提は、私たち教師がもっといい人材になることです。
テレビやYouTubeの世界ではなく、間近で会った人間の中に「自分もこんな大人になりたい」と思ってもらえるように、私たちも常に「自分磨き」をしていきたいですね。